相対参照と絶対参照の使い分け

スプレッドシートを使う上で、セル参照を行う際に相対参照と絶対参照という機能があります。相対参照とは、数式で参照するセルの場所が相対的に変化する機能です。対して、絶対参照は、数式で参照するセルの場所が変わらないようにする機能です。相対参照と絶対参照の使い分けは、スプレッドシートをより便利に使うための必須知識です。

相対参照の使い方

相対参照を用いた場合、セルの参照は、関数内の行と列の位置に依存します。また、セルの参照には、ドラッグアンドドロップで一度に複数のセルに同じ式をコピーする機能があります。例えば、以下のような数式を考えます。

= A1 + B1  

この数式を、C1からC10までコピーしたい場合、C1の式は「= A1 + B1」となります。一方、C2の式は「= A2 + B2」となります。C3以降の式も同様に、同じ列のセルを参照していることがわかります。このように、相対参照を用いることで、ドラッグアンドドロップで複数のセルに同じ数式をコピーした場合に、各セルの参照が自動的に変更されます。

絶対参照の使い方

絶対参照を用いた場合、セルの参照は、関数内の行と列の位置に依存せず、常に同じセルを参照する機能です。セルの参照には、「$記号」を使用して、絶対参照を指定します。例えば、以下のような数式を考えます。

=SUM($A$1:$A$10)  

この数式を、B1からB10までコピーしたい場合、コピー先セルの式はすべて「=SUM($A$1:$A$10)」となり、コピー元と同じ範囲は常に参照されます。このように、絶対参照を用いることで、ある特定のセルの値を使用する必要がある場合に、そのセルが含まれている範囲を変更した場合でも、参照するセルが変更されないため、正確な値を出力することができます。

相対参照と絶対参照の使い分け

相対参照と絶対参照は、使い分けることでスプレッドシートの効率的な活用が可能になります。相対参照は、複数のセルに同じ数式をコピーしたい場合などに便利です。一方、絶対参照は、ある特定のセルの値を使用する必要がある場合や、特定のセルを固定したい場合などに必要です。

具体的には、以下のようなシーンで使い分けます。

相対参照を使用する場合

  • 複数のセルに同じ数式をコピーする場合
  • 範囲に含まれるセルの値に基づいて計算する場合

絶対参照を使用する場合

  • ある特定のセルの値を参照する必要がある場合
  • 特定のセルの値を常に参照する必要がある場合
  • 複数の場所で同じ式を使用する必要がある場合

補足情報

相対参照と絶対参照は、複合的に使用することで、より細かいセル参照が可能になります。例えば、「$A1」といった場合、列を固定しながら、行だけを動かすことができます。

また、複数のセルを参照する場合は、「:」または「,」を用いて範囲を指定することができます。例えば、「A1:C3」といった形式で範囲を指定することができます。

まとめ

スプレッドシートの初級のコマンドとして、相対参照と絶対参照の使い分けについて説明しました。相対参照は、複数のセルに同じ数式をコピーする場合や、範囲に含まれるセルの値に基づいて計算する場合などに、絶対参照は、ある特定のセルの値を参照する必要がある場合や、特定のセルを常に参照する必要がある場合に使われます。両者をうまく使い分けることで、スプレッドシートの効率的な活用が可能になります。