スプレッドシートの便利関数と使い方
スプレッドシートは、表計算やデータベース処理など、様々な用途で利用される強力なツールです。その中でも、特に便利な関数をいくつか紹介します。
1. SUBSTITUTE
SUBSTITUTE
関数は、指定した文字列を別の文字列に置き換えることができます。
使い方
=SUBSTITUTE(対象のテキスト, 置換前の文字列, 置換後の文字列, [置換数])
- 対象のテキスト:置換対象の文字列
- 置換前の文字列:置換する前の文字列
- 置換後の文字列:置換する後の文字列
- [置換数]:オプション(省略可能)。置換する回数を指定します。省略すると、すべての置換が実行されます。
例えば、A1
セルにapple,banana,orange
という文字列が入っているとします。この文字列の,
を/
に置き換えたい場合、以下のように入力します。
=SUBSTITUTE(A1, ",", "/")
この結果、apple/banana/orange
が返されます。
便利な使い方
SUBSTITUTE
関数は、以下のような場面で便利です。
- URLの一部を置き換える
- 複数候補の中から、ある条件に一致するものを取り出す
- テキスト関数と組み合わせて、複雑なテキスト処理を実現する
2. VLOOKUP
VLOOKUP
関数は、垂直方向に並べた表から、特定のキーに対応する値を取得することができます。
使い方
=VLOOKUP(キー, 表, 列番号, [完全一致フラグ])
- キー:検索するキー(文字列、数値など)
- 表:検索する範囲(表全体、または範囲を指定)
- 列番号:値を取得する列の番号(1から始まる)
- [完全一致フラグ]:オプション(省略可能)。TRUEまたはFALSEを指定。TRUEにすると、キーと完全に一致する値だけを取得します。省略すると、近似値の値がもっとも近いものが取得されます。
例えば、以下のような表があったとします。
名前 | 年齢 | 都道府県 |
---|---|---|
太郎 | 30 | 東京都 |
次郎 | 25 | 福岡県 |
三郎 | 40 | 北海道 |
この表から、「太郎」の「都道府県」を取得する場合、以下のように入力します。
=VLOOKUP("太郎", A2:C4, 3, FALSE)
この結果、東京都
が返されます。
便利な使い方
VLOOKUP
関数は、以下のような場面で便利です。
- 大量のデータから、特定の値を取得する
- ツール(例えば、CRMツール)を利用している場合、他のデータと連携して情報を取得する
- テーブルを使って、特定のキーに対応する情報を管理する
3. QUERY
QUERY
関数は、SQLライクなクエリを書いて、データを抽出することができます。以下に、基本的な使い方と便利な使い方を紹介します。
使い方
=QUERY(データ範囲, クエリ, [ヘッダの行数])
- データ範囲:クエリを実行する範囲
- クエリ:実行するSQLライクなクエリ。例えば、「SELECT * WHERE A = 'xxx' ORDER BY B DESC」など。
- [ヘッダの行数]:オプション(省略可能)。データ範囲の先頭にある列見出しの行数を指定します。省略すると1が指定されます。
例えば、以下のような表があったとします。
名前 | 年齢 | 都道府県 |
---|---|---|
太郎 | 30 | 東京都 |
次郎 | 25 | 福岡県 |
三郎 | 40 | 北海道 |
この表から、年齢が30以上の人だけを取得する場合、以下のように入力します。
=QUERY(A2:C4, "SELECT * WHERE B >= 30")
この結果、以下のような表が返されます。
名前 | 年齢 | 都道府県 |
---|---|---|
太郎 | 30 | 東京都 |
三郎 | 40 | 北海道 |
便利な使い方
QUERY
関数は、以下のような場面で便利です。
- 大量のデータから、条件に一致するものだけを取得する
- 複数の条件を指定して、複数のテーブルからデータを取得する
- 計算結果を生成する(SUMなどを利用)
4. IF
IF
関数は、判定条件に基づいて、異なる値を返すことができます。
使い方
=IF(条件, 真の時の値, 偽の時の値)
- 条件:判定する条件式(TRUEまたはFALSEを返す)
- 真の時の値:条件がTRUEの場合に返す値
- 偽の時の値:条件がFALSEの場合に返す値
例えば、以下のように定義すると、A1
が100
以上の場合はOK
、それ以外の場合はNG
が返されます。
=IF(A1 >= 100, "OK", "NG")
便利な使い方
IF
関数は、以下のような場面で便利です。
- 判定条件に基づいて、分岐を制御する
- 数値に対して、一定の基準で値を割り当てる
- 複雑な論理式の計算結果に応じて、値を返す
まとめ
スプレッドシートは、様々な便利な関数を持っています。SUBSTITUTE
関数は、文字列の置換に便利なため、URLの一部を置換するなどの場合に利用することができます。また、VLOOKUP
関数は、特定のキーに対応する値を取得することができるため、大量のデータから特定の値を取得することができます。QUERY
関数は、SQLライクなクエリを書いて、データを抽出することができます。最後に、IF
関数は、分岐を制御するために利用することができます。これらを組み合わせることで、より高度な処理が実現できます。